挑戦01 更新日:2026.06.04

中国工場で見えた生産工程と日本移管の現実

「中国工場で試作量産の工程を確認し、どこまでを中国で行い、どこからを日本へ移すのか——」
現時点では、液晶取り付け以降の後工程を日本で担う方向で進めています。
まずはできる工程から着実に移管し、品質を担保しながら国産化の範囲を広げていきます。

この記事の要点

中国工場で試作量産を確認

今回は、中国で行ってきた製造工程の一部を日本へ移管する評価をするために視察にいきました。

日本への移管工程を整理

中国工場では、どこからを日本で担うのかを整理しました。

日本側の担当範囲を決定

現時点では、TFT液晶の取り付け以降の後工程を日本で行う方向で進めている。

今回決まったこと

  • プロジェクト第1弾では、まずは日本でできる生産の後工程から移管していく方針。
  • 中国では液晶取り付け前の中身までを製造し、日本で液晶取り付け・ケース組み込み・検査・パッケージングまで行う想定。
  • MESやQRコードを使い、中国工程と日本工程をまたいで製品を追跡できる体制を作る。

苦戦していること

  • すべての工程を一気に日本へ移すには、設備・ノウハウ・調達面でハードルが高い。
  • 日本側でも検査機やエージング設備などの準備が必要になる。
  • 外観品質やロゴ剥がれなど、量産前に基準を細かく決める必要がある。

工程の全体像




今回の取り組み

なぜ中国工場の工程確認が必要だったのか


国産充電器と聞くと、「最初からすべてを日本で作ればいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、実際のものづくりでは、いきなりすべての工程を日本へ移すのは簡単ではありません。特にUSB充電器のようなコンシューマー向け製品は、部品調達、実装、組み立て、検査、外観確認、パッケージングまで、細かな工程が積み重なって完成します。
そのすべてを一度に日本で立ち上げようとすると、設備や人員、品質管理の仕組みまで一気に整える必要があり、失敗するリスクも高くなります。そこで今回は、中国工場で実際にどのような工程で充電器が作られているのかを確認し、そのうえで「どこまでを中国で行い、どこからを日本で担うのか」を見極めることが大きなテーマになりました。

中国工場で確認した試作量産の流れ


工場では、本格量産前の試作量産、いわゆるプリプロダクションの工程を確認しました。これは、実際に量産へ進む前に、組み立て方に無理がないか、作業効率が悪い部分はないか、エラーが起きやすい工程はないかを確認するための段階です。
今回もまず100台分を試作し、工程上の課題を洗い出しています。
製造ラインでは、SMT実装済みの基板に大型部品を取り付ける工程から始まり、リフロー、外観検査、プロトコル確認、熱伝導シートや絶縁シートの取り付け、シリコンによる部品固定など、製品の中身ができあがっていく流れを確認しました。
その後、TFT液晶の取り付け、ケースへの組み込み、蓋閉め、エージングテスト、最終的な通電確認、外観検査、ロゴ貼り、パッケージングへと進んでいきます。

日本へ移管する工程が見えてきた


こうして実際の工程を一つずつ見ていくことで、日本へ移管できる工程と、現時点では中国で行うべき工程が見えてきました。
現時点では、液晶を取り付ける前の中身の部分までを中国で製造し、TFT液晶の取り付け以降を日本で行う方向で進めています。
液晶を取り付けた状態で輸送すると、揺れなどによって破損するリスクがあるため、この工程以降を日本で行うことには品質面でも意味があります。
また、日本側では、ケースへの組み込みや蓋閉めだけでなく、完成品として問題がないかを確認する検査も行う想定です。特にエージングテストは、最大負荷で一定時間動作させ、熱や通電に問題がないかを確認する重要な工程です。
効率だけを考えれば省きたくなる工程かもしれませんが、安全に使っていただくためには欠かせない確認になります。

まずはできる工程から、国産化の範囲を広げていく


さらに、今回は品質管理の仕組みについても確認しました。
MESやQRコードを活用することで、中国でどこまで作られ、日本でどの工程を行ったのか、どの部品がどの製品に使われたのかを追跡できる体制を作っていく予定です。
これにより、万が一不具合が起きた場合でも、原因をたどりやすくなり、品質改善につなげやすくなります。
今回の取り組みは、「日本で作る」と言い切るための見せ方ではなく、実際にどの工程なら日本で責任を持って担えるのかを確認するためのものです。
理想としてはもっと前工程から日本で行いたい気持ちもありますが、まずはできる工程から確実に移管し、品質を担保しながら次の段階へ進めていくことが大切だと考えています。
第1弾は完成して終わりではなく、ここから国産化の範囲を少しずつ広げていくためのスタートです。今回の中国工場での確認は、その第一歩として、現実的に続けられる国産充電器づくりの形を探る取り組みになりました。

次に取り組むこと

01

日本側で後工程の生産ラインを立ち上げる。

02

液晶取り付け、ケース組み込み、検査、パッケージングまでを日本で行える体制を整える。

03

必要な検査機・エージング設備・圧着機材などを準備する。

04

外観品質やロゴ貼り付けのOK/NG基準を整理する。

05

実際に日本の現場へ工程を引き継ぎ、量産できるかを確認していく。

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