挑戦02 更新日:2026.06.04

初期サンプルから見えた設計課題と今後の改善点

イチケン様のレビューにより、初期サンプルの熱設計や部品構成に関する課題が明らかになりました。
今回のサンプルは手組み段階のものということもあり一時筐体温度は90度付近まで上昇しましたが現在は部品交換や発熱対策を進めながら改良を重ねています。
今後は、製品としての完成度を高めたうえで、PSE認証に向けた準備を進めていきます。

この記事の要点

設計検証フェーズへ移行

国産USB充電器は、原理検証を終え、設計を固めるための検証段階に入っています。

温度課題が見えてきた

初期サンプルの温度測定では、想定より高温に。

国内部品の調査開始

日本メーカー製部品については、MLCCやチップ抵抗など、置き換え可能な部品から検討を進めています。

今回決まったこと

  • 65W出力・USB-C 2ポート・折りたたみプラグの仕様で進行。
  • 操作ボタンとディスプレイを搭載する方向。
  • サーマルスロットリングを起こさないことを目標に設計を進める。
  • 今後は量産準備や認証申請に向けた準備へ進んでいく。

苦戦していること

  • 65W出力時に筐体表面が約85℃まで上がり、想定より高温になっている。
  • ディスプレイ搭載により、放熱に使える面が限られている。
  • 電解コンデンサや半導体部品は、日本メーカー製への置き換えが簡単ではない。
  • 熱対策を強化すると、部品コストや原価にも影響が出る。

工程の全体像


今回の取り組み

イチケン様のレビュー内容


今回の動画では、イチケン様が国産USB充電器プロジェクトの初期サンプルを確認し、外観・内部構造・熱設計・部品構成についてレビューされていました。

今回のサンプルは、充電器として動作することを確認する原理検証を終え、設計を固めるための検証段階にあるものです。仕様としては、65W出力、USB-C 2ポート、折りたたみ式プラグを備え、操作ボタンやディスプレイも搭載されています。

レビューで見えてきた課題


一方で、65W出力時の温度測定では、筐体表面が約85℃まで上がり、サーモグラフィー上では一部90℃を超える箇所も確認されました。

今回のプロジェクトでは、65W使用時にサーマルスロットリングを起こさないことを目指しています。サーマルスロットリングとは、充電器が熱くなりすぎた際に、内部を保護するため出力を下げる動作のことです。これを防ぐためには、まず温度そのものを下げる必要があります。


部品構成についての解説


分解確認では、発熱しやすい変圧器やパワー半導体から、熱伝導シートを通じて筐体へ熱を逃がす構造になっていることが紹介されていました。ただし、現状では熱を逃がしきれていない可能性があり、熱伝導シートの面積や配置には改善の余地があるとされています。


部品構成については、現時点の試作品では日本メーカー製部品の使用率は0%ですが、今後は置き換え可能な部品から日本メーカー製へ切り替えていく予定です。

特にMLCCやチップ抵抗などの受動部品は、日本メーカーが強い領域であり、置き換えを進めやすい部分とされています。一方で、電解コンデンサやGaNパワー半導体、USB PD制御ICなどは、形状・コスト・設計変更の面で課題があり、すぐに日本メーカー製へ切り替えるのは難しい部分として説明されていました。


CIOとしての補足と今後の進め方


今回イチケン様にご確認いただいたサンプルは、あくまで初期段階の手組みサンプルであり、部品構成もまだ未確定な部分が多い状態でした。
現在進めているサンプルは、前回のものからバージョンアップしており、動画内で指摘いただいた発熱や部品構成の課題についても改善を進めています。より良い製品に近づけるため、発熱をどのように抑えるべきか、部品交換や調整を行いながら検証を重ねている段階です。
国産USB充電器として安心してお使いいただける製品にするため、発熱・安全性・使いやすさ・価格のバランスを確認しながら調整を進めています。課題の確認と改善が完了次第、PSE認証へ進む予定です。

次に取り組むこと

01

高温になった原因が、電力損失なのか熱設計なのかを切り分けて検証する。

02

熱伝導シートの面積や配置を見直し、放熱改善を進める。

03

ディスプレイ周辺の熱対策と長期信頼性を確認する。

04

MLCCやチップ抵抗など、日本メーカー製部品への置き換えを進める。

05

量産準備と認証申請に向けて、設計・部品構成を固めていく。

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